地獄の始まり
遡る事約15年前。
父は公務員、母は保育士という普通の家庭に育つ。
中学や高校まではサッカーや釣り、ギターが好きな普通の青年でした。
何不自由なく育ち、塾に通い、私立の高校に通い、将来はぼんやり弁護士になりたいなんて話してました。
理由なんか勿論なく、ただカッコ良さそうだからそう話していたことを覚えてます。
休みの日には、当時流行っていたゆずや、ジュークを真似て、自作のくそ恥ずかしい歌を路上で弾いたりしてました。
下手くそなのでお金を入れてもらう事なんてほぼ無かったけど、稀に500円を入れてもらう事があったりして、滅茶苦茶テンションが上がってました。
大学は一丁前に東京の法律に強い学校が第1志望だったので、受けに行きましたが、受からず関西で滑りどめにしていた私立の大学に通うことになりました。
受験をするだけでもお金がかかる事も、私立の大学の学費の事もなにも考えてなかったと思います。
そんなこんなで大学に行く事になったのですが、高校は男子校、人見知りもあってなかなか大学の雰囲気に馴染めませんでした。
これまで、授業も服も何もかも決めてもらっていた環境から一転、どの単位をとるか、どのサークルに入るか、どんな友達と付き合うか、全てを自分で選んでいかなくちゃいけなくなり、だんだんと学校に行くのが苦痛になって来ていました。
それでも一応真面目な子だったので、授業をサボるという感覚はありませんでした。
思いつきもしないって感じでしたね。
そんな生活を送っていた自分でしたが、ある日、その後の人生を変えてしまう一日を迎える事になります。
それは大学が始まって2ヶ月程した時でした。